特定技能で給料が高い分野は?手取りや手渡しの仕事はあるのかも解説!

日本で働く外国人に人気の「特定技能」ですが、「給料が高い分野は?」「実際の手取りはいくら?」「手渡しで給料をもらえる仕事はあるの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。

特定技能は16分野あり、建設・造船・自動車整備などは比較的給料が高いとされます。一方で、介護や外食業は人手不足で求人が多い分野ですが、給料水準はやや低めの場合もあります。

給料の高い仕事を選びたい外国人にとって、分野ごとの平均賃金や働き方の違いを知ることはとても大切です。
また、日本では法律により給料は銀行振込が基本ですが、例外的に手渡しで受け取れるケースも存在します。

当記事では、特定技能で給料が高い分野や手取り額の目安、そして手渡しで受け取れる可能性について詳しく解説します。これから日本で安定して働きたい人は必ず最後までご覧ください。

特定技能で給料が高い分野

厚生労働省が発表している令和6年外国人雇用実態調査によると、在留資格別の平均給料は以下のようになっています。

在留資格 | 給料 / 月
専門的・技術的分 | 28万9,100円
上記のうち特定技能 | 25万300円
技能実習 | 21万円
身分に基づくもの | 30万5,200円


どの在留資格においても、給料は前年同期比では増加傾向にあり、その中でも「特定技能」の給料は7.6%増と最も伸びています

当調査の中で給料が高い分野は示されておりませんでしたが、出入国在留管理庁の特定技能外国人受入れに関する運用要領によると、特定技能資格を保有する外国人を雇用する際には、日本人と同等以上の給与水準である必要があります。

そのため、業界的な平均給与からある程度推測することができると考えられます。

国税庁で公表されている業種別の平均給与を見ると、
  • 運輸通信公益事業
  • 金属機械工業
  • 建設業
上記3つの業界が高いことがわかります。


一方で、業種別の平均給与で低い分野は、
  • 製造業
  • サービス業
であることがわかります。

これまでの解説をまとめると、特定技能で給料が高い分野は「運輸業」「建設業」であることが推測できます。

では、現状の日本における特定技能の外国人労働者はどの分野で働いている人が多いのでしょうか。


特定技能で外国人労働者が多い分野ランキング

特定技能の在留資格を持っている外国人の中で労働者が多い分野ランキングトップ10は以下のようになっています。


NO. | 業種 | 特定技能の労働者数
1 | 製造業 | 215,654人
2 | サービス業 | 76,760人
3 | 卸売業、小売業 | 68,099人
4 | 情報通信業 | 60,285人
5 | 医療、福祉 | 57,374人
6 | 建設業 | 55,687人
7 | 宿泊業、飲食サービス業 | 49,130人
8 | 学術研究、専門・技術サービス業 | 39,262人
9 | 教育、学習支援業 | 31,383人
10 | 運輸業、郵便業 | 12,802人



特定技能資格を持つ人が給料を上げる方法

現在の給料に満足していても、今以上に給料が上がる場合嬉しいのではないでしょうか。

給料を上げることで、家族への仕送り金額を増やすことができたり、自由に使えるお金が増えます。
ここでは、特定技能資格を持つ外国人が給料を上げる方法をお伝えしていきます。

  • スキルアップ・資格取得で昇給を狙う
  • 給料の高い分野・職場に転職する
  • 残業や会社の手当を活用する


スキルアップ・資格取得で昇給を狙う

特定技能資格を持つ外国人が給料を上げる最も基本的な方法の一つは、業務に関連するスキルアップや資格取得です。

たとえば、ビルクリーニング分野であれば、高所作業や安全衛生管理の資格、自動車整備分野であれば自動車整備士資格の取得が該当します。

これにより、企業側から「即戦力としての価値が高い」と評価され、昇給や役職手当の対象になる可能性があります。また、特定技能1号から2号への移行や、他分野へのキャリアチェンジを視野に入れることで、より高収入を目指すことも可能です。

スキルアップを行う際は、資格取得費用や学習方法を事前に確認し、計画的に取り組むことが重要です。


給料の高い分野・職場に転職する

特定技能外国人の給料は、分野や企業によって大きく異なります。そのため、給料を上げることを短期的に達成するために、転職は最も効果的な方法です。

特に建設、造船、自動車整備などは比較的高収入の傾向があり、手取りを増やしたい場合は給与水準の高い分野や職場への転職を検討することが有効です。

転職活動を行う際は、外国人専門の転職サイトや求人情報を活用することで、在留資格や経験に合った求人を効率よく探せます。

また、職場環境や福利厚生、残業手当や住宅手当などの待遇も考慮することが、実質的な給料アップにつながります。転職によってキャリアを積むことで、長期的に安定した高収入を目指すことができます。


残業や会社の手当を活用する

特定技能外国人が給料を増やす方法として、残業や各種手当を活用することが可能です。
多くの企業では、残業手当や深夜勤務手当、資格手当などが設定されており、規定の時間外労働や特定業務を担当することで基本給以上の収入を得られます。

また、企業によっては特定技能外国人向けの特別手当や住宅手当などが支給される場合もあります。

給与明細や雇用契約を確認し、自分の権利として受け取れる手当をしっかり把握することが重要ですが、長期労働をしなければいけないため、あまりオススメできる方法ではありません。

給料を上げたい場合には、スキルアップや給料の高い分野への転職がオススメです。


給料を手渡しでもらえる会社はあるのか

日本では、正社員の給料は基本的に銀行振込で支払われるのが法律上の原則です。

労働基準法により、賃金は「通貨で直接労働者に全額を支払う」ことが求められていますが、現代の実務では銀行振込が主流であり、手渡しで給料を支払う会社は非常に少数です。

特に正社員の場合、社会保険料や所得税などの控除が必要なため、手渡しでの支払いは事務管理上も難しいのが現状です。

ただし、小規模な企業や特別な事情がある場合、例外的に手渡しが認められるケースもあります。しかし、給与明細の発行や税務処理、労働者保護の観点から、手渡し給与はあまり推奨されません。

外国人労働者としては、給与振込の銀行口座を用意しておくことが安心で安全な方法ですので、給与の支払い方法や手当の有無については、入社前に企業に確認しておくことが重要です。


まとめ|特定技能の給料は分野や職務内容によって異なる

特定技能で働く外国人の給料は、分野や職務内容によって大きく異なります。

建設や造船、自動車整備などの分野は比較的高収入の傾向がありますが、介護や外食業などは人手不足で求人は多いものの、給料水準はやや低めの場合もあります。

また、同じ分野内でも企業規模や業務内容、勤務時間、残業や手当の有無によって手取りは変わります。

給料を上げたい場合は、当記事で紹介したスキルアップや資格取得、高給の職場への転職などを検討することをオススメします。

給与支払いは基本的に銀行振込が原則です。
特定技能外国人が安心して働き、適正な給料を受け取るためには、分野ごとの給与水準や職務内容、就業条件を事前に確認することで、自分に合った分野や職場を選び、長期的に安定した収入を得ることを実現していきましょう。